Slingshotrifle

スリングショット初心者が抱く疑問を解決、スリングショットの玉についてQ&Aまとめ

初めてのスリングショットを使うとき様々な疑問があるかと思いますが、こちらのページではスリングショットの弾についての疑問をQ&A方式で紹介していきます。随時、質問に答えていくので質問があればコメント欄からお願いいたします。

スリングショットでベストな玉は何ですか?

スリングショットで精度を上げるには練習が不可欠ですが、練習にはどんな球が一番良いのかは難しい問題です。というのもスリングショットの弾は材質によって重さが異なるため弾道も変化するためです。その他に考慮すべきは玉の行方でしょう。スチール弾は環境に帰らないため練習するのにその辺で何百発と撃つのは避けたいですし、練習するのであれば弾が回収できる練習用ボックスが必要になります。その辺の石を使用して撃つことはできますが精度を上げる練習をしたい場合は適切な選択ではありません。そういった意味でベストの選択はクレイ弾であると思います。

しかし、前述しました通りクレイ弾とスチール弾では重さが異なり、大きさも異なるため使用する弾によって狙いのつける場所が変わってきます。したがって、例えば練習目的が害鳥の駆除であるならスチール弾で練習をし、追い払い目的ならクレイ弾で練習と使用目的と同じ球で練習を行うのが肝要です。また、クレイ弾を使用するには径の大きな球が重量がありお勧めですが、スリングショットのフォーク幅が使用弾の3倍以上ない場合、フォークに球が当たる危険性が上がるため、ご使用のスリングショットのフォーク幅を確認するようにしてください。さらに、弾受けもご使用予定のクレイ弾の大きさにあった物を選ばないと精度が出せないので合わせて確認するとよいでしょう。

スリングショットの玉として石は使用できますか?

結論から言えば撃てますが2つ条件があります。

  • 石のサイズ

石のサイズがポーチよりも小さくなければ安全に撃つことはできません

  • 石の形状

石が球状に近ければ撃つことができますが、球状ではなく形が歪な場合ゴムバンドのどちらか一方が速く縮んでしまうことにより、弾がまっすぐに飛ばずに手に当たってしまう危険性があります。また、石の表面がゴツゴツしているとポーチに石が引っ掛かり思わぬ方向に飛んでしまう危険性もあります。

石をスリングショットの弾として使用したい場合、通常より大きめなポーチでかつ石の表面がごつごつしておらず、球状に近いような形状の石を使用する事をお勧めします。

20ミリのクレイボールならリス程度の大きさの獣を狩ることはできますか?

獲物を狩るということは対象に十分な質量エネルギーをぶつけることができるかが重要となります。20ミリの重さは9.2グラムと当店推奨の獣用の球の大きさの12ミリ(7.06グラム)の1.4倍程度です。重さを見れば十分なように見えますが、質量エネルギーを考えるには速度と硬さも考慮する必要があります。まず速度ですが、9.2グラムを飛ばすにはかなり厚めのゴムが必要です、しかし重さがあれば速度が遅くとも衝撃力が高くなるので速度と質量という意味ではクレイボールでリス程度の獣を仕留めることはできるかもしれません。

しかしながら、クレイボールにはりには向かない2点の問題があります。1点目に硬さの問題があります。質量と速度からくる衝撃力を十分に伝えるには目標に当たった時弾が砕けないことが必要です。球が砕けてしまうとエネルギーが分散してしまい本来の運動エネルギーを標的に伝えることが来ません。ボクシングの試合で物をグローブの中に握りこむ行為は反則ですが、これは拳が固く握られていないとエネルギーが伝わらず、拳がクッションの役割を果たすからです。何か握っていれば拳がクッションの役割をせず、運動エネルギーを相手にぶつけることができます。クレイボールは鉛や炭素鋼といった物より非常に柔らかいため、それ自体がクッションのように働いてしまい、標的に致命傷を与えることが出来ない可能性があります。

2点目に精度の問題です。クレイボールは完全な球形ではないため発射時にポーチと干渉してしまう可能性と、発射後に空気抵抗で弾がぶれることが考えられます。この問題によってクレイボールでは精度の確保が難しい可能性が高く、狩猟用として使うのはお勧めできません。

クレイボールはどれくらいの精度が出せますか?また、狩猟に使えますか?

クレイボール、陶土弾についての質問ですね。一般的にクレイボール自体の真球度は高くなく、いびつな円形である場合がほとんどです。材料が土ということと、製法自体が真円が出るような方法ではないためクレイボールの真球度は低くなるのでしょう。大きさに関しては9ミリ~12ミリが一般的に流通しているサイズで質量は0.85~2グラムとなっています。クレイボールの12ミリでスチール球の8ミリと同等の重さで、スリングショットの玉の中では軽い部類に入ります。精度はその辺にあるいびつな形の石や、ナットといった円形ではないものに比べると良いですが、スチール球よりは劣ります。それでも10メートル程度の距離であるなら空き缶で10回中8回程度は当てることのできる精度は出ます。

狩猟に使えるかは正直微妙なラインだと思います。12ミリだと小型のスズメやヒヨドリ程度なら落とせそうですが、弾が軽いのと硬さが無いので致命的な一撃となる可能性は低いと思います。ですが、たとえ外しても自然に帰る物なので、心おきなくスリングショットを撃ちたいという人には向いているかと思います。狩猟用のスリングショットはこちらからお求めいただけます。

スリングショット猟で最適な玉はどれですか?

スリングショットは様々な物を撃ちだすことができます。スリングショットの玉で色々な玉について触れていますが、狩猟用となると使用できる玉は限定されます。まずは狩猟に必要な弾の条件はどのようなものか見ていきましょう。

まず大前提として、スリングショットの球は球形であるため貫通力という点で優れていません。またエアライフルや散弾銃のように高速で弾を撃ち出すこともできません。したがって、スリングショットでの猟は基本的に衝撃によって標的の致命傷になるエリアを破壊して狩るものとなります。もちろんスリングライフルのような威力の高いスリングショットであれば体を貫通させて心臓を狙うということも可能ですが、通常のスリングショットではそこまでの速度はまず出せません。

狩猟に必要な玉の条件とは?

それでは狩猟に必要な衝撃力とはどれくらいのものなのでしょうか?衝撃力は一般的にジュールで表現されます。ジュールは速度と重さで計算されるもので、高ければ高いほど威力が強いと考えることができます。大型の鳥類を殺傷するのに必要なジュールは最低9ジュールとされており、これを満たすにはある程度重さのある球でなくてなりません。獣類に関しては毛皮があるのでそれ以上の威力が必要となります。したがって、スリングショットで獣類を殺傷するのは難しいと言えます。(小型のリスやイタチなどの狩猟鳥獣ならばスリングショットで殺傷可能です)

次に考えなければならないのが精度です。威力がいかに高くとも当たらなければまったく意味がありません。スリングショットは弾丸のようにジャイロ効果を持って安定した弾道を描くわけではなく、山なりの弾道で標的に向かいます。また、ジャイロ効果がないので風の影響で弾道がブレます。これは玉にある程度重量があれば軽減されますが、クレイボールなど質量密度が低い球で顕著にみられる現象です。また、弾が真球に近くないものは不規則性が増すので精度が出せません。

射程距離も非常に重要な要素です。軽い球だと運動エネルギーが小さいので、失速するのも早くなります。通常野生の生物は警戒心が強く、人間を見るとすぐに回避行動をとります。獲物によりますが近づけても15メートル程度が限界でしょう。したがって、15メートル先でも十分な威力を有していることが狩猟に必要な玉の性能となります。

どこを狙えばよいか?

標的に致命傷を与えて動けなくするには、頭と首が狙う個所となります。狩場が鳥類でかつ泳いで逃げられないような場所であるなら羽の付け根部分を狙うのも有効な方法です。片方だけでも羽が動かせなくなると鳥類は飛べなくなります。そうなった時。獲物が取る次の行動は物陰に隠れるか体を隠せる場所まで逃げるかです。ですので、羽に当てた場合、すぐに二の矢を準備しながら追いかけるか、二の矢を撃たず飛び出して素手で捕まえに行く必要があります。

いずれにしろ。スリングショットでの成果を決めるのは自身の能力です。例えば15メートルで卓球の球に当てられる精度が出せないのであれば、狩りには行かずもっと練習をして精度を上げるべきです。実猟では草木の陰や、高低差のある場所からが獲物を撃つ事が大半で、さらに標的は動いています。動く標的と止まった標的とでは難易度が全く異なります。練習では8割がたピンポン玉を撃ち抜けても実猟では4割程度の命中力になることも当然あります。ですので、自身の射程距離限界を把握し、確実に頭部か首に当てられる距離に入るまで撃たないことが成果に直結します。また、ハンターとしてできるだけ半矢にしないという事も大切です。

ゴム選びが最も重要

玉の重さが十分でもそれを発射するゴムが十分でなければ何の意味もありません。したがって、玉を選ぶ際はゴムもセットで選ぶ必要があります。きちんと引けるか、手がぶれないか、初速は十分か、これらが最適化されて初めて狩猟に行く準備が整います。また、ゴムは消耗品で使えば使うほど収縮速度が落ちるので、狩猟に行く前は新品のゴムに交換することをお勧めします。

スリングショットでの自由猟で最適な弾は何か?

以上の条件を考慮すると最適なのはスチール球、鉛玉、タングステン弾となります。鉛が一番安価で質量もあるため単純に獲物を狩るという目的では優れていますが、鉛は自然環境に非常に有害である使用は避けるべきです。北海道では装薬銃の鉛玉の所持自体規制されているので自然を愛するハンターとしては鉛玉の使用は避けるべきです。次にタングステン弾ですがタングステンは非常に重くスリングショット猟には最適な弾です。しかし、タングステン自体の価格が非常に高く、安くとも1玉20~30円程度と気軽に撃つことはできない弾となります。ここぞというときはタングステンを使うのはよいかもしれませんが、一発が高いので気軽に使用できる弾ではないかもしれません。

最後にスチール球ですが、スチール球は安価で、真球度も高く、鉛ほど環境に悪くはなく、手軽に購入することができ質量も十分にあります。以上のことから結論としては狩猟に最適な弾はスチール球となります。

スリングショットの弾について、どの弾がどの用途に向いているのか教えてください。

まず前提として、スリングショットに使う弾は真球に近いものでなければ使用には向いていません。どのような材質であれ使用弾が球形でゴムが合っていれば問題なく使用できます。形がいびつである場合、ベルヌーイ効果が強く発生し弾道に不規則な曲がりが生じます。この曲がりが発生すると精度が著しく低くなるためスリングショット用の玉としては適格ではありません。

次に、それぞれの玉の特性を見てみましょう。

  1. : 鉛は衝撃力とコストの面で優れています。一方で毒性があるので狩猟につかうのはお勧めできません。また、柔らかいので、一度固いものにぶつかると再利用できません。
  2. スチール球: スチール球は精度が高く、質量も有り、安価であるためターゲット射撃、害獣追い払い、狩猟と汎用性が高いです。高度が高いので変形することがなく再利用できるのもスチール球の良いところです。
  3. ガラス玉: 一昔前はビー玉が駄菓子屋などに売られており手に入りやすかったのですが、最近は見かけなくなりました。ビー玉は標的に当たると割れてしまうのでバックストップが柔らかい物でなければ使用ができません。価格も安いので手元にある人は的撃ち用に使ってもいいかもしれません。
  4. BB弾: BB弾は軽く力が非常に低いので、万が一フォークに当ててしまっても問題ありません。スリングショットを初めて使う人などはBB弾でフォームやゴムの引き方を学んでみるとよいでしょう。最近は土にかえるバイオBB弾が主流になってきており、その辺で撃ち後始末を気にしなくてもよいのがバイオBB弾の良いところでしょう。
  5. クレイボール: クレイボールは粘土で作られており、自然に帰るため野外で的撃ちを楽しみたい方にはクレイボールがおすすめです。精度はそこまで出ませんが、安価で自然に優しいため害獣の追い払いにはスチール球よりもクレイボールのほうが適していると言えるでしょう。

どの弾でも大事なのは同じフォームで同じ動作で撃つ事で、それさえできればどの弾でもそれなりの精度は出せます。

BB弾を使用してのスリングショットの練習は良い考えだと思いますか?

BB弾を使用しての射撃練習は初心者がスリングショットでのスキルを学ぶのに役立つと思います。万が一フォークにあたっても危険が少なく、BB弾は非常に安価であるので沢山射撃をして練度を上げるのに最適だと考えています。

BB弾は小さく軽いため重いゴムではなく軽いゴムを使用して射撃を行うこととなります。最初から重いゴムと球を使うとゴム、ポーチ、スリングショット本体がどのように動いているのか分かりずらく、そういう意味ではBB弾での射撃は正しい射撃を学ぶためには非常に有用だと思います。BB弾でうまく撃つことができれば重い球でも上手く撃つことができるので段階を踏むという意味では良い練習方法であると言えます。BB弾を撃つのにそれ用のスリングショットを購入したほうが良いのか?と疑問に思うかもしれませんが、それは必要ありません。しかし、ゴムはBB弾用に薄めの物を選択するべきだと思います。

BB弾を打つ際の注意点ですがBB弾は小さく初速が速いので目でどこに飛んだか追うことができません。したがって、弾着がどうなっているのか確認する方法が必要となります。お勧めなのが紙を使う方法で、紙に十字の線を描き、中心を狙うように弾を放ちます。真ん中に当たらずとも同じ場所を同じ動きで10回程撃ち、グルーピングがどうなっているか確認してください。ある程度弾着がまとまっているなら動作に問題は無いことが分かりますし、まとまっていないなら正しい射撃が出来ていない証拠なので、スリングショットの持ち方、弾の握り、放し方等、基本的な事を確認しながら練習をしてください。

もっと詳しくスリングショットについて知りたい方はスリングショットの基礎知識のページをご確認下さい。

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