スリングショット初心者のための基礎知識とおすすめアイテム
こちらのページではスリングショットに関してのすべての知識を網羅しています。精度はどれくらいなのか、練習方法は?威力を上げるには?どのスリングショットが良いのか?どこでスリングショットを買えばよいのか?などスリングショット初心者の方は様々な疑問を持っているかと思います。そういう疑問をすべて解決できるようこのページを作成しました。このページは広く浅くそれぞれの知識を説明しているので、もっと詳しく知りたい方はそれぞれのトピックに設置してあるリンクをたどってご覧になってください。
スリングショット本体やゴム、スリングショット用品をお求めの方はこちらのスリングショット用品販売ページをご覧ください。
見出し
- 1 スリングショット初心者のための基礎知識とおすすめアイテム
- 1.1 スリングショットはどこで買えるの?
- 1.2 スリングショットの精度
- 1.3 スリングショットの威力、射程について
- 1.4 スリングショットのゴムについて
- 1.5 スリングショットのメンテナンスと安全性
- 1.6 弾の種類と選び方
- 1.7 スリングショットと銃刀法
- 1.8 スリングショットの安全な使用方法
- 1.9 スリングショットの使い道
- 1.10 スリングショットとサバイバルスキル
- 1.11 日本でのスリングショット競技の現状
- 1.12 スリングショットの歴史、発祥
- 1.13 スリングショットの基本構造と種類
- 1.14 スリングショットフレーム素材とその特性
- 1.15 スリングショットの形状別の種類
- 1.16 まとめ
スリングショットはどこで買えるの?
昔はおもちゃ屋さんで売られていたようですが、今はおもちゃ屋さん自体少なくなり、また有ったとしてもスリングショットを販売している可能性は限りなく低いです。したがってスリングショットを購入するには通販一択となります。手に取って確かめられないのは気になる点かもしれませんが、インターネットを通しての通販は今では一般的となり、お店で買うよりもはるかに安くスリングショットを購入することができます。一昔前のインターネット黎明期には詐欺のようなサイトも数多くありましたが、法が整備された現代では国内でウェブ販売を行っているサイトに関しては心配は全くいらないといえます。インターネットがあまり得意ではない、、、という方のためにスリングショットを販売している全ての通販店をまとめました。こちらのスリングショット通販店比較のページで値段と購入できるスリングショットをまとめましたので参考にしてみてください。
スリングショットの精度
スリングショットの精度はある程度熟練した射手で20メートルの距離で3センチの的に当てられる確率が8割程度です。練習時間は20メートル先の5センチの的に5割の確率で当てられるくらいになるまで40時間程度必要となります。
スリングショットの狙い方と練習方法
スリングショットの練習方法は多岐にわたります。ターゲット練習や距離練習、連射練習など、様々な練習方法があります。また、競技もいくつか存在し、スリングショット愛好家たちが技術を競い合っています。
基本的な射撃フォーム
スリングショットの精度を向上させるには、正しいフォームが重要です。以下に、基本的な射撃フォームを紹介します。
- スタンス:足を肩幅程度に開いて立ち、体重を前後に均等に分散させます。
- 握り方:スリングショットの柄をしっかりと握り、手首を直角に保ちます。この時に必ず親指を支点にし、ゴムを離した反動で手首が曲がらないようにします。詳しくはスリングショットの怪我対策をご確認ください。
- 狙い:目標に対してスリングショットを平行にします。撃ち方によりますが、初心者はゴムと地面が平行になるようスリングショットを90度傾けた角度で狙います。
- 弾の保持:弾をポーチの中央にセットし、親指と人差し指でしっかりと保持します。この時弾受けを握るのではなく、球を握るようにしてください。また握りこぶしではなく親指と人差し指以外は開いた状態にします。スリングショットの練習方法にて詳しく解説しているのでご確認ください。
- 引きつけ:弾を引きつける際、スリングショットを持っている手のほうの肘を伸ばし、弾受けを持っている方の手をアンカーポイント(口周りや、耳の後ろ等体の一部で毎回同じ場所に手を持っていくことで精度を上げる)に固定します
- 射撃:目標に向けて指を離し力を解放し、弾を発射します。
ターゲット練習
ターゲット練習は、射撃精度を向上させるための効果的な練習方法です。様々なサイズや距離のターゲットを設置し、繰り返し射撃を行いましょう。スリングショットの弾道は山なりであるため、距離によって弾のドロップを考慮しなければ当てられません。また、ライフリングのような機構でもって弾にジャイロ効果を持たせることもできないため風の影響も考慮しなければなりません。
遠距離射撃練習
遠距離射撃練習は、パワーと精度を同時に向上させることができます。遠距離のターゲットに対して、繰り返し射撃を行い、距離感や照準の調整を身につけましょう。遠距離で精度が出せるようになると、近距離でも精度が出せるので、自身の狩場での獲物との距離よりも少し遠い距離で練習を行うと多少の距離の違いにも対応できるようになるので、遠距離練習は行うようにしましょう。
異なる角度や姿勢での射撃練習
異なる角度や姿勢で射撃を行う練習は、柔軟性や適応力を鍛えることができます。立ったままだけでなく、しゃがんだり、横になったりして射撃を行ってみましょう。また、障害物を使って射撃を行うことで、さらに難易度を上げることができます。実際の狩りでは地形によって様々な姿勢でスリングショットを撃てなければならないため、こういった練習も必要になります。
さらに詳しくスリングショットの技術に関して知りたい方はこちらのスリングショットの技術に関してのまとめページをご確認ください。
スリングショットの威力、射程について
スリングショットの威力はどの程度のものなのか?威力は初速と重さにより決定されます。重ければ重いほど、速ければ速いほど威力が上がりJ(ジュール)という表現で表されます。スリングショットの中でも弱い部類に入るファルコンでも5J、当店で扱っている狩猟用の物だと9J程度は出すことができます。当店のものだとアルミ缶程度なら貫通する威力を有しており、一部の国では軍隊でスリングショットを使用している事もあり、スリングショットはゴム動力とはいえ非常に強力な武器であるといえます。
スリングショットの射程は初速にもよりますが、最弱のファルコンで100メートル程度、狩猟用のもので150~200メートル程度は球を飛ばすことができます。
スリングショットの威力についてさらに詳しく知りたい方はこちらのスリングショットの威力ランキングとお勧めのスリングショットのページをご確認ください。
また、威力、射程距離、殺傷能力について知りたい方はこちらの最強のスリングショットとは?のページをご確認ください。
スリングショットのゴムについて
冒頭でも説明しましたがスリングショットのゴムはスリングショットの性能を決めるエンジンのようなものです、ゴムの厚さや長さが少し違うだけで初速が劇的に変わります。スリングショットのゴム選びのページでどのようなゴムがどのような大きさの玉に適しているのか詳しく説明しているので参考にしてみてください。
ゴムは消耗品なので自分でゴムを作って節約したい、自身の体形に合ったオーダーメイドのゴムを自作したいという方はこちらのスリングショットゴムの自作方法のページををご覧ください。
ゴムバンドの寿命と交換時期
ゴムバンドは、使用頻度や保管状況によって劣化が進みます。一般的に、スリングショットのゴムの寿命は約100発から500発程度とされていますが、引きの長さや使用する玉、保管方法によってばらつきがあります。以下の症状が出ていたら交換するようにしましょう。
- ゴムバンドに亀裂や切れ目が見られる場合。
- 弾の飛距離や速度が明らかに低下した場合。
- ゴムが硬くなり、伸びが悪くなった場合。
これらの状況が見られる場合は、ゴムバンドの交換が必要です。また、ゴムによっては濡れたように水が出てきたり粉を吹いたりするものがありますが、それらはブリード、ブルームと呼ばれる現象で、機能には影響がないので気にせず使用することができます。これらの現象を防ぐため人によってはベビーパウダーを振って保管しておく人もいるそうです。基本的に湿度がこの現象を引き起こすので乾燥剤と共に保管しておけば問題はありません。
スリングショットのゴムについてもっと詳しく知りたいという方はこちらのスリングショットのゴムに関してのQ&Aまとめページをご確認ください。
あると便利なアイテム
スリングショットは単純な構造で、使用方法も単純ですが、運用にはある程度の練習が必要です。また、実際に使用する際には玉を持ち歩かなければならないので、そういった部分のわずらわしさを解消するサポートアイテムを紹介します。
- 弾保持リング:スリングショットの練習時にいちいち球をポケットから取り出すよりも磁石式の玉保持アクセサリーがあると便利です。スリングショット本体に取り付けられるタイプであったり、写真のように磁石が入った指輪のような形状の物もありますので、射撃時に迅速に弾を装填することができます。
- ターゲットボックス:スリングショットの練習をする際に必ず必要になるのが練習用のターゲットボックスです。自身で段ボール箱を切り制作することもできますが、耐久力がないため、すぐに壊れてしまうでしょう。ターゲットボックスはエアガン用に多様な商品が販売されておりスリングショット向けに転用することも可能です。当店ではスリングショット用に革製の的が付属したターゲットボックスを販売しています。
- スリングショット携帯用ポーチ:スリングショットをポケットに入れて携帯する場合どうしても異物感が出てしまい動きづらくなってしまいます。そういった動きづらさを解消するのがスリングショット携帯用ポーチです。こちらのポーチはスリングショットだけでなく玉やスマホ、たばこ、カギといった身の回り品を携帯できる物で、森や山にはスリングショットを持って遊びに行く際に重宝します。
スリングショットのメンテナンスと安全性
スリングショットを長く使うためには、適切なメンテナンスが必要です。木製のスリングショットは特にメンテナンスを怠るとカビが生える原因になるので気を付けるようにしましょう。メンテナンスはただスリングショットをきれいに保つという意味だけではなく、問題がある個所はないか確認する行為でもあるので、拭いたりしないまでも、いくつかの点検項目は確認するようにしましょう。
メンテナンス方法
スリングショットのメンテナンスは、以下の手順で行います。
- 拭き掃除:フレームを柔らかい布で拭き、汚れや汗を取り除きます。長い時間使うと手汗で汚れるので長期間使わない予定なら拭き掃除を行ってから保管したほうがよいでしょう。湿度によりますが木製はかびやすいです。
- ゴムの点検:ゴムの点検は毎回行うようにしましょう。まず、亀裂や切れ目がないかチェックします、次にスリングショットとの結合部にゆるみがないか確認します。ゴムが外れそうになっている場合は使用時にゴムが顔めがけて飛んでくるので非常に危険です。久しぶりにスリングショットを使う場合、必ず点検するようにしましょう。万が一小さな切れ目でも破損を発見した場合、交換が必要です。破損したゴムを使うと思わぬところに球が飛んでいく可能性があるので、まだ使えると思わず交換するようにしましょう。
- パウチの点検:パウチ部はゴムよりも耐久性が高いので破損することはめったにないですが、ちょっとした破れやほつれがある場合、ゴムごと交換してしまいましょう。パウチの球を保持する部分には特に気を付けて確認してください。この部分が松脂や草の汁でべたべたして汚れていると弾を撃った時にべたつきが干渉して球が自身のほうに返ってくることがあります。(筆者は指が滑らないよう松脂を付けた手でスリングショットを撃っていた時に、玉保持部分に松脂がついてしまったらしく自身に玉が飛んできたことがあります。)
- 保管方法:スリングショット、ゴムの保管ともに直射日光や湿気を避けるためジップロックに乾燥剤と共に入れ、冷暗所で保管しましょう。ゴムは高温と直射日光に非常に弱く、太陽光にあたる場所で保管しておくと3か月もたたないうちに使い物にならなくなります。
弾の種類と選び方
スリングショットで使用する弾には、様々な種類があります。代表的なものには、石や鉄球、クレイ(土)などがあります。弾の選び方は、目的や好みによって異なりますが、以下のポイントを考慮することが重要です。
重さとサイズ
弾の重さやサイズは、初速や威力に影響します。重い弾ほど威力が高いですが、初速は低くなります。初速が低いということは弾道が山なりになるのでターゲットに当てることが難しくなります。また、撃ちだせる弾の重さはゴムの厚さによって異なります。ゴムと弾が合っていない場合精度を出しずらくなるだけでなくゴムの寿命も縮めてしまうことになります。
素材
弾の素材は、主に石、鉄球、クレイ(土)、ガラス、プラスチックなどがあります。素材によって重量や形状、耐久性が異なります。例えば、スチール球は重量があり、真円度が基本的に高いため、正確な射撃が可能です。一方、石やクレイ(土)は手軽に入手できますが、形状が不規則かつ空気抵抗を受けやすいので精度は出せません。
目的に合わせた選び方
弾の選び方は、主に使用目的によって決まります。狩猟や害獣駆除の場合、威力が重要であり、9~12ミリの鉄球などの重い弾が適しています。一方、ターゲットシューティングや競技の場合、一般的に使用されるのは8ミリが多いです。遊びや練習の場合は、安全性やコスト、回収の手間が無いクレイ(土)が適しています。さらに詳しくスリングショットの弾について知りたい方はスリングショットの玉の選び方とスリングショットの玉のQ&Aページを参照ください。
スリングショットと銃刀法
スリングショットやスリングライフルは一般的に武器に分類されるため、所持や携帯は免許が必要だったり、使用は違法なのでは?と思う方が多いと思います。しかしながら、スリングショットとスリングライフル共に銃刀法で定義されている銃でもクロスボウにも該当しないため、銃刀法による制約は一切受けません。ただし正当な理由なく携帯することや、公の場で他社から見える状態で携帯することは軽犯罪法、迷惑防止条例に触れるため違法となります。詳しくはスリングショットと銃刀法のページで解説しているのでご覧ください。
スリングショットの安全な使用方法
スリングショットは、適切に使用しないと怪我や事故につながる可能性があります。安全に楽しむためには、以下のポイントに注意して使用してください。
事前の準備
まず、正しい構え方や射撃方法を習得しましょう。スリングショットの扱いに慣れるまで、練習を重ねてください。 適切な弾を選びましょう。弾のサイズや重さが適切でないと、射撃精度が低下し、危険な状況が生じることがあります。 スリングショットのメンテナンスを怠らず、ゴムバンドやポーチの劣化や破損を定期的にチェックしましょう。
周囲の安全確認
周囲の安全確認に加えて、スリングショットを使用する際には必ず以下の点を確認してください。まず、スリングショットを使う前に必ずその性能や使い方について理解しましょう。スリングショットは斜めに打つと150メートルほどはゆうに飛びます。また、後ろに弾を止めるバックストップがあるかどうかは必ず確認してください。茂みがあるから大丈夫と思っても茂みを貫通する場合があります。
スリングショットの使い道
スリングショットは、気軽に楽しめどこにでも携帯できるため童心に帰って遊ぶことができる素敵な道具です。散歩がてら森に行ってスリングショットを撃つ、河原で的を撃って遊ぶなど、おじさんが一人で遊ことのできる趣味だと思います。一方でスリングショットはカラスやヒヨドリといった害鳥駆除にも使えるので農家や畜産関係の方にも使用されています。
狩猟
スリングショットは鳥類を狩るには十分な威力を有しており、鳥獣保護法の範囲内で狩猟鳥獣を狩る場合は免許も許可もいらないことから狩猟体験の入り口として使用されることが多いです。ただしスリングショットの狩猟は射程と精度の点で法定猟具よりも劣るため狩猟の難易度が数倍高く、精度を上げる訓練と獲物に近づく訓練を行わなければ獲物を狩ることはできません。そこがスリングショット猟の面白いところでもありますが。いうなれば、初期装備のみでゲームを攻略するような面白さとでもいいましょうか。獲物を狩るには自身の体力と忍耐力を鍛える事が必須であるので、そういう意味で健康的な遊びであるといえるかもしれません。
実猟に行くときは、何が合法で何が違法なのか鳥獣保護法を完璧に理解してから行くようにしましょう。自由猟法のすすめで詳しく解説しているので参考にしてみてください。また、スリングショット、スリングライフルでの狩猟時の注意点についてまとめたスリングライフル猟の法律と実猟時の注意点のページも併せてご確認ください。
害鳥駆除
カラスやヒヨドリといった害鳥駆除は自治体や猟友会が主体で行うべきですが、昨今の猟師のなり手不足で駆除を頼めないという人が多いというのが現状です。農作物や飼っている牛への被害は死活問題ですから何としても被害を食い止めたいと思うのは理解できます。猟師や自治体に頼れない、そんな方たちにスリングショット、スリングライフルは使用されています。駆除までいかずとも追い払えれば十分と使用されている方もおり、第一次産業においてのスリングショット役割は決して小さくはないでしょう。以下のページでスリングショットを含む害鳥の撃退方法について解説しているのでご覧ください。
害獣の追い払い
山間部で農作物を育てるということは、害獣との戦争を行うということでもあります。耕作放棄地の増加、猟師不足が獣と人間の生活圏の境目をあいまいにし、丹精込めた作物が害獣に食べられる。野菜を育てたことのある人ならわかると思いますが、愛情を込めて育てた野菜が収穫前に食べられてしまう事は悲しく、食べた獣に対して怒りが湧いてきます。そういった害獣を追い払う術としてスリングショットは使われています。
護身用
スリングショットは自身や家族の護身用としても使われています。山間部ではサルが人里に降りて人に危害を加える事故がたびたび起こります。サルが狙うのは力の弱い女性、お年寄り、子供です。サルがどこにいるのか分かれば家に避難できますが、突然現れる場合もあるので恐ろしいものです。スリングショットはサルを人里に近づけないよう追い払いと万が一出会ってしまった時のためのサル撃退グッズとして使われています。護身用としてスリングショットが売られているのを見ますが、人間相手の護身用としてはスリングショットは意味がないと思います。というのも人間に襲われるときはたいていの場合すでに相手が至近距離におり、仮にスリングショットを撃てたとしても顔に当てられなければ相手を怯ませたり行動不能にすることは難しいからです。
スポーツとして
スリングショットはスポーツとしても楽しまれています。サッカーや野球などメジャーなものではありませんが大会が開かれています。特に中国ではスリングショット愛好家が多く、古くから親しまれているようです。
世界的に有名なスリングショット大会
以下は、世界的に有名なスリングショット大会の例です。
- World Slingshot association主催のトーナメント:世界各国から競技者が集まる、最も権威のあるスリングショット大会です。固定目標や動く目標など、さまざまな競技が行われます。
- European Slingshot Union主催のトーナメント:ヨーロッパ各国から参加者が集まる、大規模なスリングショット大会です。ターゲットシューティングやフィールドシューティングなど、様々な競技が行われます。
スリングショットを使った釣り
スリングショットを使った釣りの一種、Bow Fishing(ボウ・フィッシング)は、矢をスリングショットで飛ばし、魚を射る釣りの方法です。通常矢には糸が付けられており、魚に矢を刺しリールで回収するというのが一般的なbow fishingの方法です。また、刺さる場所にもよりますが矢で直接魚を突くため、フックやルアーを使う一般的な釣りとは異なり、魚が外れる確率が低いです。
この釣り方は、比較的浅い水域で行うことができ、魚種によっては、川や池だけでなく海でも行うことができます。スリングショットで川で魚を獲っているいる動画はyoutubeで検索をすると見つけることができます。このBow Fishingという釣り方は本来弓矢で行う方法で、米国の中部の方では盛んに行われている釣りだと聞きます。ターゲットは大抵の場合ナマズ、鯉ですが、変わった獲物だとカエルなどもとるようです。(筆者はミズーリ、ケンタッキーで行った際にそのような話を聞きました)
しかしながら、日本ではこの釣りは違法となります。魚は鳥獣ではないため矢の使用は問題ありませんが、大体の県でゴム動力を使用して何かを射出し魚を捕獲することは漁業法にて禁止されています。漁師免許を取ればスリングショットを使用して魚を突いても合法だと思われますが、そこまでするのならば水中銃を使用したほうが良いかもしれません。
スリングショットとサバイバルスキル
スリングショットは、サバイバルスキルを身につける上で有用な道具の一つです。獲物が潤沢にいるエリアだと散歩がてらスリングショットで夕食をとるなんていう生活をしている方もいるようです。(youtubeでアメリカに住んでいる人がそのような生活を送っている動画を見たことがあります。)
日本でのスリングショット競技の現状
日本では日本スリングショット協会が2023年に発足され、会員数が増えているようです。また、同年には日本でおそらく初めてのスリングショットの大会が開かれました。日本スリングショット協会が主催の大会で、日本でも愛好家がいることを嬉しく思います。気になる方はこちらのリンクから詳細を確認してみてください。
スリングショットの歴史、発祥
スリングショットの歴史は、古代の投石器であるスリングと言われています。スリングは、岩や石を投げるための投石器の事で、古代の戦争や狩猟で使用されていました。今でもアフリカの南部の方の部族の一部でスリングを使用して狩りをしている人たちがいるようですが、スリングショットとはゴム動力を使用し弾を発射する機構を備えた武器としてより使いやすい形状に進化したものです。
19世紀後半には、弾性が高いゴムが開発されアメリカでスリングショットが一般的になり、子供たちの遊び道具や狩猟道具として広まりました。その後、20世紀に入ると、スリングショットは競技としても注目されるようになり、世界中で愛好家が増えていきました。
スリングショットの起源
1839年に加硫ゴムが偶然開発された事をきっかけに、現在のゴムを使用して弾を飛ばす形のスリングショットが生まれました。その後、サンダースやTrumarkといった老舗スリングショットメーカーが誕生し、スリングショットが世間に浸透していきました。その結果、近年ではスリングショットは世界中で趣味や競技と様々な形で愛好家たちによって楽しまれています。スリングショットの起源は諸説あり、アメリカを起源とする説とロシアを起源とする説があるようで、どちらが正しいのかは明確になっていません。
スリングショットの基本構造と種類
スリングショットは、単純な構造をしており、フレーム、ゴムバンド、弾受け(ポーチ)の3つの部分から構成されています。しかし、それぞれの部分にはさまざまな種類が存在し、それぞれの特性や、使用目的によってカスタムすることができます。また、スリングショット自体の材質などは単純に好みによって選ばれる事が多いです。
フレーム
フレームは、スリングショットの基本的な骨組みで、手で持つ部分です。フレームには木製、金属製、プラスチック製などの素材があり、それぞれ重さや耐久性が異なります。また、形状も様々で、Y字型、H型や銃型などがあります。選ぶ際は、手にフィットするものや重さが適切なものを選ぶことが重要です。銃型のスリングショットは、スリングライフル、スリングショットライフルと呼ばれるもので、ごく最近出回り始めたスリングショットの進化系です。特徴としてゴムを引いたまま保持しスコープで狙いを定めることができるため従来のスリングショットよりも精度と威力が優れています。ただし、値段は従来のスリングショットよりも高いのが現状です。
スリングライフルの購入はこちらのスリングライフル販売ページからどうぞ。
ゴムバンド
ゴムはスリングショットにとっての車でいうエンジンにあたる部分です。一般的には天然ゴムやシリコンゴムが使用されますが、伸びやすさや耐久性に違いがあります。また、ゴムの太さ、厚さ、長さによっても、射出できる玉の重さや速度が変わるため、目的に応じて選ぶ必要があります。
弾受け(ポーチ、パウチ)
ポーチは、弾を保持する部分で、ゴムの両端に取り付けられています。素材には牛革、マイクロファイバーレザー不織布、ソフトプラスチックなどがあります。パウチのサイズと玉の大きさがあっていないと精度に影響が出るため、弾をしっかりと保持できるものを選ぶことが大切です。また、ポーチの厚さや素材によって重さが変化し、1グラムの重さの違いで初速10m/秒程度違ってくることもあるので、初速を重視する方はマイクロファイバーレザーか不織布のような軽い素材で、玉の大きさに合わせたできるだけ小さなサイズのパウチを選ぶことが重要です。
スリングショットフレーム素材とその特性
スリングショットはさまざまな素材で作られており、それぞれに独自の特性があります。どの素材も一長一短があるので、目的に合わせて自身に最適なものを選びましょう。
木製スリングショット
木製のスリングショットは、天然素材であるため独特の風合いがあります。また、木は弾力性があり、ミスショットをしてフレームを撃ってしまっても樹脂素材のように破損する可能性が低いため、スリングショットに適した素材だと言えます。しかし、木製スリングショットは湿気に弱いため、保管に注意が必要です。湿気が多い地域などに住んでいる方はカビてしまったりするため、風通しの良いところで保管するとよいでしょう。木製スリングショットの一番の特徴は自身でも作ることができることです。世界で一つだけのスリングショットが欲しいという方は木製のスリングショットがお勧めです。
金属製スリングショット
金属製のスリングショットは、アルミニウムやステンレススチールなどの素材が使われます。金属製のものは強度が高く、耐久性に優れています。また、重量があるため、安定した射撃が可能です。ただし、金属製のスリングショットは重く、持ち運びに不便な場合があります。当店でも合金製のスリングショットを取り扱っていますのでご覧ください。
樹脂製スリングショット
樹脂製のスリングショットは、軽量で持ち運びに便利です。また、耐久性や強度も十分で、さまざまな環境で使用できます。ただし、樹脂製のスリングショットは衝撃に弱い場合がありますので、取り扱いに注意が必要です。しかし、プラスチック製は価格が安く、スリングショット初心者の入門用としてはお勧めです。樹脂製のスリングショットはこちらです。
カーボンファイバー製スリングショット
カーボンファイバー製のスリングショットは、軽量で強度が高く、優れた耐久性があります。しかしながら、材質自体の値段が高いこともありカーボンファイバー製のスリングショトを見かけることは少ないです。
スリングショットの形状別の種類
素材に関しては上記で説明しましたが、スリングショットには様々な種類、特徴を持ったものが存在します。特徴的なスリングショットでいうと折りたたみ式のスリングショットや、矢を放つことができるスリングボウ、銃型のスリングライフルなどがあります。一般的なスリングショットには、Y字形状の「Y型スリングショット」、H型形状の「H型スリングショット」、フレームに弾が当たらないよう細いパイプでフォーク部分が作られているような設計のスリングショットがあります。パイプ式のスリングショットで有名どころは、主に防犯用に販売されているバーネットスリングショットダイアブロやスリングショットファルコンが挙げられます。
それぞれのレビューは以下からどうぞ。
Y字型がスリングショットの主流でシンプルで扱いやすく、自分に合った素材を選ぶことができます。折りたたみ式はサンダース製のファルコン有名で持ち運びが便利に思われるかもしれませんが、そもそもの構造が大きく、折りたたんでもポケットに入るサイズにはならないので、あまり携帯に適しているとは言えません。
また、当店で販売している狩猟用のスリングショットは初速と精度を追及しており、高速かつ正確な射撃が可能になる機能が搭載されています。狩猟用のスリングショットは本ページ上部よりお選びいただけます。
さらに詳しくスリングショットについて知りたい方はスリングショット本体に関してのQ&Aまとめページをご覧ください。
まとめ
このページではスリングショットに関することの全般を網羅しました。
これからスリングショットを始める方や、すでに楽しんでいる方にとってこの記事が役立つ情報となり、スリングショットの魅力をより深く理解し、楽しむきっかけになれば幸いです。
はじめまして。日本スリングショット協会の理事長をしております。
記事&リンクしていただき誠にありがとうございますm(_ _)m