Slingshotrifle

スリングライフル、スリングショットでの狩猟は鳥獣保護法の範囲内でのみ可能です。従って、一般の狩猟者と同様、法律の理解をした上でなければ実猟へと行くことは出来ません。このページでは実猟において、守らなければならないルールについて説明します。

 

鳥獣保護法の意義

鳥獣保護法の目的は

鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化を図り、もって生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資すること

とされています。

罰則

違反行為によりますが、最も重い刑罰が1年以下の懲役又は100万円以下の罰金刑となっていおり、非狩猟鳥獣の捕獲、非猟区での狩猟、禁止猟法の使用等がこれに当たります。したがって、狩猟に行く前にどういう行為が違法となるのか理解をしていなければ、社会的、経済的に罰せられることになりかねません。

狩猟免許とスリングライフルの法律

狩猟免許は4種類あり、第一種銃猟免許(散弾銃、ライフル銃)、第二種銃猟免許(空気銃)、わな猟免許(罠)、網猟免許(網)というように免許の種類によって使用できる法定猟法が異なります。スリングライフルでの鳥獣捕獲は鳥獣保護法で規定されている上述の法定猟法に該当しないため、厳密には鳥獣保護法が定義する”狩猟”に該当しません。鳥獣保護法第十一条では鳥獣保護法で定められている狩猟期間、猟区、狩猟鳥獣等の規定を遵守する場合に限り、法定猟法にあたらない猟法での鳥獣の捕獲を環境大臣からの許可を受けずにする事を認めています。

その他の鳥獣捕獲方法で、鷹を使用しての鳥獣の捕獲、投石や素手での捕獲も法律上は問題ありません。

狩猟期間について

狩猟期間は北海道と北海道以外で期間が異なります。北海道は10月1日~1月31日、それ以外は11月15日~2月15日。狩猟鳥獣の種類によっては期間の延長、短縮がされる事が有るので注意が必要です。お住まいに公的機関のホームページに狩猟期間について説明してあるページがあるので、出猟前に必ず確認してください。カモ猟については青森、秋田、山形では11月1日から翌年の1月31日までとなっています。

捕獲数について

狩猟鳥獣だからといって無制限に捕獲をしても良いというわけではありません。それぞれの狩猟鳥獣には一日当たりの捕獲限度数が決まっています。

カモ類 合計5羽
エゾライチョウ 2羽
ヤマドリ、キジ 合計2羽
コジュケイ 5羽
バン 2022年より狩猟鳥獣から削除 3羽
ヤマシギ、タシギ 合計5羽
キジバト 10羽

 

狩猟禁止区域

狩猟はどこでも自由にできるわけでは無く、人が集まる場所(公共の用に供する場所)、近くにいる場所では狩猟は禁止されています。

狩猟が禁止されている場所

  • 鳥獣保護区
  • 休猟区
  • 農道、林道を含む公道
  • 公園
  • 墓地、社寺境内
  • 自然公園の特別保護地区
  • 半径200メートル以内に人家が10軒以上有る場所

公道の上を弾が通過する場合も公道での捕獲行為とみなされるので禁止です。また、住居が集合している地域や、広場、駅など人が集まる場所、人や家畜、建物や自転車等の資産に弾が到達するような方向への狩猟も禁止です。

従って、電線にとまっているいるカラス、キジバトを撃つ行為は鳥獣保護法違反となります。

公共の用に供する場所とは?

人手が加えられて公共の誰もが使用できる状態にある場所がこれにあたります。例えばコンクリートで整備されている河川で、釣り人がいる場合は、そこは公共の用に供するとされ狩猟は行えません。しかしながら、判断は管理している自治体が行うので、そういった場所で狩猟を行おうと考えている方は、自治体に確認をとることをお勧めします。

狩猟行為とは?

鳥獣を捕獲できなくても、捕獲の方法を行い、鳥獣を捕獲しうる可能性を生じた事が狩猟行為とされます。つまり、公道でいつでも撃てるようスリングライフルを出した状態で移動する行為は公道での狩猟行為となるため違反となります。

特定猟具使用禁止区域

特定の猟具、大抵は銃か罠のどちらかが禁止されたエリアの事を指します。スリングライフルではこの規制を受けませんが、銃猟が行われている区域に行くことは危険が伴うのでお勧めできません。

特定猟具使用制限区域

この区域に入り猟をするには都道府県知事の承認が必要となります。

鳥獣保護区

鳥獣保護区は鳥獣の保護を目的として設置されているエリアで、この中での狩猟行為は禁止です。この区域内にいる鳥を石などで追い出して狩猟可能地域で撃つといった行為も禁止されています。

休猟区

都道府県知事が減少した狩猟鳥獣の回復を図るため設定しているエリアで、狩猟が禁止されています。毎年変わる事が有るので、必ず最新の情報を確認することが必要です。

放鳥獣区/猟区

国または地方自治体が設定している区域で、狩猟を行うには狩猟者登録とは別に入猟登録を行わなければならない。スリングライフルでの猟は許可が下りるか不明ですが、おそらく許可が下りないと思われます。

土地所有者の承諾

垣、柵などで囲まれた土地で狩猟をするには土地所有者の承諾を得なりません(鳥獣保護法第17条)。また、柵が無いからと言って他人の土地に入って狩猟する権利が認められているわけでは無く、他人の土地で狩猟を行うのは基本的に避けるか、所有者から確認が取れた場合のみにした方がトラブルが避けられます。

鳥獣の捕獲

鳥獣保護法では鳥類の卵、雛の採取は許可が無ければ禁止しています。

飼養

狩猟鳥獣なら狩猟期間中に捕獲して飼養が可能です。飼養には許可は必要ありません。

狩猟免許について

狩猟免許には第一種銃猟、第二種銃猟、罠猟、網猟免許の4種類が有りそれぞれ使用できる猟具の種類が異なります。狩猟とは”猟具を使用して鳥獣を捕獲する行為”を指し、スリングショットライフルでの狩猟は、鳥獣保護法の定義上は狩猟ではなく鳥獣の捕獲行為に当たります。

禁止猟法

スリングショットライフルでは免許は不要ですが、どのような方法でも鳥獣を捕獲しても良いというわけではありません。下記の猟法は禁止されています。

  • 釣り針、とりもちを使用する方法
  • 矢を使用する方法。(スリングショットライフルでは球形の弾以外を使用すると、矢の使用とみなされる可能性が有るので球以外は使用しない方が良いでしょう。)
  • キジ笛を使用する行為
  • テープレコーダーを使用してヤマドリ、キジをおびき出す行為
  • 犬にかみつかせる行為
  • 爆発物、劇薬、毒薬、据え銃、落とし穴を使用する行為
  • 鉛弾の使用(北海道では所持も禁止)

鳥類の鉛中毒

鳥類には歯が無いので、小石を飲み込んで食物の消化を助ける習性があり、水鳥の鉛中毒は小石と間違えて鉛玉を飲み込んで起こるとされています。鉛中毒になった鳥類は激しい下痢を起こし、内臓、筋肉が萎縮し食物を消化できなくなり死に至ります。北海道では直径7㎜以上の鉛玉の散弾は使用禁止、鉛製のライフル弾に関しては所持も禁止されています。

鉛玉の使用でスリングライフルの威力は上がりますが、環境に影響を与えるので使用を控えるようにしましょう。また、国内で手に入る鉛玉は真球度が低いので射撃精度が出ません。

残渣の処理方法

獲物を獲る事が出来たら、解体が待っています。鳥類は軽いので、その場で腸を抜き、家に持ち帰ってから羽をむしるなどの作業をすることが出来ます。ですが、自宅でやると同居している方に文句を言われそう、、、という方もいるのではないでしょうか。猟場で羽抜き、内臓抜きをする際の注意事項ですが、内臓はその場に放置してはいけません。鳥獣保護法では必ず持ち帰るか、掘り返されないくらいの深い穴を掘って埋める事とされています。

人と動物の共通感染症

人と動物との共通感染症とは、ペットや野生動物などの動物からヒトに感染する病気の総称で、WHOで確認されている共通感染症は200を超える。主なものは狂犬病、オウム病、野兎病などが挙げられます。北海道で以前から問題になっているエキノコックスや、昨今社会問題となった鳥インフルエンザなども人と動物との共通感染症です。人と動物との共通感染症に関して気を付けなければならないのは、現在でも新しい種類の感染症が世界各地で発見されており、すべての感染症が明らかになっていない点です。

感染経路

感染経路は大きく分けて二通りあり、一つは感染した動物からヒトに直接うつる場合と、蚊やダニなどが媒介して人にうつる場合とが有る。鳥インフルエンザなどは鳥の血液やフンを人が触ることで感染する可能性があるが、人がその肉を食べて感染したという事例は今のところ報告されていません。しかしながら、人と動物との感染症は感染経路について未だ解明されていない未知の部分が多く、人と動物との間で病気がうつっていく過程で毒性が強くなったり、異なる症状を起こす病原体に変異したりする場合があるため注意が必要です。

狩猟鳥獣について

日本国内で生息する鳥獣類は鳥類550種、獣類80種とされており、狩猟可能な鳥獣はその中で鳥類26種、獣類20種の46種です。ただし、環境大臣によっていくつかの種に対して捕獲してはいけない場所と期間が設定されています。(キジ、ヤマドリのメス、ヒヨドリ等)

間違って非狩猟鳥獣を捕獲してしまったら

狩猟鳥獣かどうか自信が持てない場合は捕獲を中止しなければなりませんが、狩猟を行っていれば誤って非狩猟鳥獣を捕獲してしまう可能性あります。誤って捕獲してしまった場合は、放置せず速やかに開放するか、動けない場合は関係行政機関に連絡をし、傷病鳥獣として保護してもらいましょう。

狩猟時の安全確認

本製品は射角30度で約300メートル先に弾を到達させる能力があります。従って、弾を発射前に必ず矢先に人や家屋、家畜や自動車といった資産が無いことを確認してください。発射方向に人がいる場合、水平撃ちでなくとも弾がそちらに飛んで行ってしまう可能性があるため絶対に発射をしないようにしましょう。また、発射前に必ずバックストップ(弾を止める障害物)があるか確認をしてから発射するようにしましょう。

跳弾について

弾が固いものにあたり跳ね返ることを跳弾といいます。跳弾を避けるため、射線上に岩、木、竹など硬いものがある場合絶対に弾を発射してはいけません。また、水面に向けて弾を発射する場合も、浅い角度では弾が水面を跳ねるので、発射方向に人や車等が無いことを確認してください。

スリングライフルの取り扱いについて

本製品は武器に該当します、移動時は必ずケースに入れすぐに使用できない状態にして移動してください。また、正当な理由なく携帯をすることは出来ません。猟に行く前にコンビニに立ち寄るといった行為も、正当な理由から逸脱する行為になるのでお控えください。スリングライフルご使用時には発射直前まで弾をロードせず、ロード時にはトリガーガードに指を入れないでください。また、ご使用時には必ず目の保護具を着用してください。その他の注意事項は購入時に付属する安全に関する手引きをご参照ください。

狩猟用語

止め刺し:息の有る獲物にとどめを刺す行為

見切り:獣の足跡や痕跡を見つけて何がいるのか見当をつける行為

半矢:獲物に負傷を負わせて逃がしてしまう事

 

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